昨年2016年の富山県内の年間書籍売り上げランキング,実用書部門第一位が『ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版』だったそうです。
確かに北陸では大きな話題になりました。
ミシュランガイドが北陸を取り上げるというだけでちょっとした事件みたいなものですもんね。
ところでこのミシュランガイド,どこが発行しているかご存知ですか?
そう,もちろんあのミシュランです。
ミシュランと言えばマスコットのビバンダム君でも有名な,フランスのタイヤメーカーですよね。
どうしてタイヤ屋さんがグルメガイドの本を出しているか,疑問に思ったことはありませんか?
それはミシュランガイドのトレードマーク,星付けシステムと関係があります。
よく星3つとか星2つとかいうあれですね。
その星付けの基準とは何かというと,
★☆☆(星1つ):その分野で特に美味しい料理(街一番の料理)
★★☆(星2つ):遠回りしてでも食べる価値がある
★★★(星3つ):それを食べるためだけにわざわざ出かける価値がある
ということらしいです。
美味しいもののためなら千里を行くのもためらわないフランス人。三ツ星のお店ならどんなに遠くとも駆けつけるという寸法。
出かけるときは車で。遠くまで行くとそれだけタイヤが摩耗するのが早くなる。
というわけで,タイヤの売上を促進するためのキャンペーンの一貫だったわけですね。
でもそのガイドブックが今やミシュランのブランドイメージを向上させる大きなツールになっているわけですから,継続は力ですね。
前フリが長くなりましたが,その『ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版』に掲載されているお店が立山町にもあるんです!
実際には星がついているわけではなく,掲載されているだけですが,ミシュランに紹介されるというだけで一定の評価がなされているわけです。
そのお店が
『そば処 おきな』さんです。
(ちなみに,以前紹介した立山の新しいカレー屋,コロポさんも,ミシュランガイドの「ビブグルマン」部門
“星はつかないものの、3,500円以下で楽しめる、コストパフォーマンスのいい飲食店・レストラン”で取り上げられていました)
というわけで,そのお蕎麦をいただきにおきなさんまで行ってきました!
おきなさんの場所は高速の立山インターを降りて立山方面に向かう途中の,ちょっと奥まったところにあります。
分かりにくい場所ですので,ナビを使って向かってください。
ここがそのおきなさん。
お蕎麦屋さんらしい,渋い佇まいですよね。
建物自体も時代を感じさせる,しっかりとした落ち着きのあるものでした。
お店に入ると,縁側の席に案内されました。
その縁側からはこんな美しいお庭が眺められます。
食事の前にお庭の景色を味わうことが出来るんですね。
こちらがメニュー(の一部)。
新そばの時期だったため,普段なら迷わずもりそばを頼むところですが,もりそば¥980ってここだけの話,ちょっと高くないですか?
その横には鴨ざるそば¥1,140の表示も。
この値段差なら,鴨ざる頼みますよね?やっぱり。
ということで,鴨ざるをお願いしました。冬ですしね。
(この決断は結果的に大正解。なぜかは後ほど)
やってきた鴨ざるそばがこちら。
つやつやと黒光りするお蕎麦がいかにも美味しそうです。
店のご主人に伺うと,蕎麦は全て地元八尾産のそば粉を使っているそうです。この日はもちろん新そば。
早速頂きます。
最近,お蕎麦の食べ方に色々とうるさいことを言う人もいるようですが,ズズーッと音をたてて頂きます。
やっぱり蕎麦は勢い良く食べないとね。
そのお蕎麦。新そばらしい香りがふんわりと口の中に広がります。
お蕎麦自体は田舎そばと更科そばの中間のような感じ。
喉越しと,蕎麦の風味が同時に味わえます。
そばつゆは鴨の旨味と脂をまとって,口の中が幸せいっぱいに。
あっという間に食べ終わってしまいました。
ちょっと物足りないなぁ,もう少し何か…とメニューを眺めていると,
「追加ざる 三六〇円」
とあります。これは何だろう?とお店の人に聞くと,少し小盛りのざるそばを出しているというではないですか。
悩むことなく注文しました。
それがこちら。
確かに量はちょっと少ないですが,これはもう完全にもりそばじゃないですか!
最初にもりそばを頼まなくて本当に良かった。
これなら鴨ざるともりそば,両方味わえますもんね!
もりそばのつゆは富山らしく少し甘めの味付け。
関東風の辛口のめんつゆも好きですが,慣れてくるとこういう甘めのつゆも良いもんですね。
先程より少なめの蕎麦ということもあって,瞬く間に平らげてしまいました。
ふぅ~,満足です。
でもお蕎麦の楽しみはこれから。
そう,蕎麦湯です!
しかも今回は,鴨だしともりそばのつゆ,両方楽しめるんですよ!
鴨ざるを頼んで本当に良かった(二度目)。
まずは鴨だしに蕎麦湯を注いで頂きます。
鴨の脂の旨味が蕎麦だしと程よく中和されてホッとする美味しさ。
たまりません。
続いてもりそばのつゆにも。
こちらは蕎麦湯で割ることによって,カツオだしの旨味と香りがさらに開きます。
ここ,いい鰹節使ってますよ!(いまさら)
ご主人に伺うと,やはり鰹節にはこだわっているようで,大阪の鰹節問屋から取り寄せているそうです。
どちらともあまりにも美味しいので,蕎麦湯をお代りして頂きました。
身も心も満腹です。
これでお会計は鴨ざるそばと追加ざるで計¥1500也。
始めもりそば¥980高い!と言ってしまいましたが,これだけ味わえてこのお値段ならお得なんじゃないでしょうか。
会計を終えてお店を出ると,右手にはちょっとした休憩所もあります。
そこからの眺めがこちら。
本当に落ち着きますよね。
ミシュランも『立山に行こう!』もお薦めのそば処おきなさん,ぜひ一度足を(タイヤを?)運んでみてください!
そば処おきな
富山県中新川郡立山町福田296−1
水曜日定休,営業時間 11時~16時30分