サンダーバードと聞くと何を思い出しますか?
大抵の人がすぐに思い受けべるのはあの人形が奮闘する国際救助隊(最近CGでリメイクされているらしいですね)でしょう。
立山つながりで言えば雷鳥は絶対に外せません。県の鳥でもありますし。
ほかにも富山人に馴染み深いのは独立リーグに参加する県内の野球チームや,大阪と富山を結ぶ特急サンダーバードあたりでしょうか(北陸新幹線の開通後は終着駅が金沢となってしまいました)。
でも今日取り上げるのはちょっとレアなサンダーバード。
その名も「コンビニエンスストア 立山サンダーバード」さんです。
ちょっとレア感漂うでしょう?
場所はアルペンルートの入り口,立山アルペン村のすぐ近くにあります。
コンビニエンスストアとありますが,もちろん大手のコンビニチェーンとは一線を画する,個人経営の,地元のコンビニ。
ご両親と息子さんの3人で経営しておられます。
店内に入っても色々とレアなものが置いてあります。
例えばこんなもの
富山名物の昆布締め,の各種レア物。お魚や山菜だけではなく,鶏軟骨や馬刺しなんてものまで挟んじゃってます。お母さん手作り。
他にも
これまた手作りのポストカードや缶バッジ。
これらは息子さんによる作品です。
ポップでいい味出してますね。
コンビニに欠かせないカップラーメンのコーナーも一味違います。
東日本と西日本の食べ比べができますね。
でもここのお店を有名にさせているのは,店内で手作りしているおにぎりとサンドイッチ。
特にサンドイッチは種類が豊富で,他にも立山ブラックコロッケや台湾ラーメンサンドイッチなんてものまであります。
(お伺いしたのは平日の午後遅くだったため,残念ながらそれらは置いてありませんでした。土日は数を揃えてお待ちしているそうです)
地元の情報誌やTVにも取り上げられるほど有名なんですよ。
元々はこういったちょっと変わったコンビニではなく,20年ほど前に開店した当時は普通の品揃えだったそうです。
しかしそれから3,4年後に近くに大手コンビニチェーンの店舗が開店したところ,客足が激減。
このままではいけない!との危機感から,サンダーバードさん独自の品揃えを増やしていったそうです。
そうした努力の甲斐もあって固定ファンやリピーターもつき,ピンチを脱却することができました。
実際,大手コンビニの店舗が「立山方面最後のコンビニ」という看板を掲げたときには,現実とは反するその案内に憤慨した方たちが地元のラジオや新聞に投稿され,看板の撤去に繋がったそうです。
自分たちのお店をそんなに思ってくれている人がたくさんいるということに心を打たれ,さらに皆さまに愛されるコンビニづくりを目指そうと奮起されたそうです。
映画「春を背負って」のロケが立山で行われたときには,主演の松山ケンイチさんや豊川悦司さんも来店され,特に蒼井優さんは何度も足を運んでくださったそうです。
その時のサイン。
地元に密着するコンビニを目指して開店から20年,冬季の豪雪期にはお客もまばらだったり,家族3人で休みなくお店を続ける大変さなど色々あったそうですが,今では立山に無くてはならないコンビニとして根付いています。
すぐ近くには最大手のコンビニの店舗も新しく店を構えていますが,負けることなく,元気に営業を続けています(例の看板を掲げたお店はそのコンビニの出店後間もなく閉店してしまいました)。
そうそう,前回登場頂いた「藤吉」店長の大野さんともお知り合いで,よく来店されているそうです。思わぬ繋がりにビックリですが,不思議と納得できちゃいました。
「convenience」を辞書で引くと,「好都合。便利。また、便利なもの。手間がいらない重宝なもの」となっています。
立山サンダーバードさんは確かによくあるコンビニと比べるとサービスや商品の品揃えといった点では都合が良かったり,便利とは言えないかもしれません。
でも,手作りのおにぎりやサンドイッチ,サンダーバードさんオリジナルの様々な商品といった,「(わたしたちにとっては)手間がいらない,重宝なもの」が手軽に買える,まさに好都合なお店ではないでしょうか。
家族3人,年中無休朝5時から(冬季6時から)夜8時まで,皆さんのお越しをお待ちしています。
立山のちょっとレアな思い出づくりにいかがでしょうか?
写真は立山サンダーバード伊藤さん母子