この間まで雪が少ないと言っていたのに,あっという間に冬本番です。
連日ニュースでも伝えられているとおり,連日の大雪でここ立山もすっかり雪に包まれてしまいました。
毎日雪かきで大変です。
でもこれが本来の富山,そして立山の姿。
昔から人々は長くて寒い冬を耐えてきました。
そしてその厳しい冬を乗り切るための先人の知恵というのもちゃんとあるわけです。
その一つがかぶら寿司。
かぶら寿司とはお魚と野菜を発行させて作るなれずし,もしくは飯寿司(いずし)の一種です。
同様の料理は全国各地にあって,北海道では鮭を使った飯寿司,秋田ではハタハタ寿司などが有名ですね。
北陸では何と言ってもかぶらにブリを使ったかぶら寿司がとどめを刺します。
もともとは冬の間の保存食として作られていたと思うのですが,金沢では前田藩の城主に献上されたり,正月を祝う晴れの料理として広まりました。
(写真は富山県南砺市福光『よね田』さんのかぶら寿司)
寿司とは言ってももちろん今のにぎり鮨とは全く違います。
お魚を塩とお米,そして麹で漬け込み,発酵させて頂く保存食。
もともと『寿司』と言えばこのなれずしのことで,今のお寿司は江戸時代に出来た割合最近のもので,当時は「早ずし」と呼ばれていたそうです。
そのお味はさすが加賀百万石,洗練の極みです。
ブリの青臭さは全くなく,麹の酸味とかぶらの甘み,そしてブリの旨味が口の中に広がります。
これはもう完全に酒の肴ですね。
冷やの吟醸酒ととても良く合います。
お値段もやはりそれなりで,写真のよね田さんのかぶら寿司は500gで¥3,456。
贈答用,もしくはお正月料理ですよね(ネットで取り寄せも出来ます)。
庶民にはなかなか手の届かないかぶら寿司ですが,もっと気軽の味わうこともできます。
それが富山のかぶら寿司!
元々は金沢発祥のかぶら寿司ですが,加賀藩下であった富山県でももちろん食べられています。
そして金沢のかぶら寿司がブリを使った晴れの料理なのに対して,富山ではサバのかぶら寿司がよく食べられています。
サバを使っている分ブリのかぶら寿しよりもずっと廉価で,まさに庶民的なかぶら寿司と言えるでしょう。
華やかで上品な金沢と,真面目で質素な富山の違いがこんなところにも表れていますね。
でもでも侮るなかれ,富山のかぶら寿司。
サバの独特の旨味が麹とよく調和して,これはこれで「有り」です。
お値段が手頃な分気軽に食べられますしね。
個人的にお薦めの食べ方は,サバの身についているお米と麹をしっかり取って,ご飯の上にタップリの刻み海苔と一緒に載せて頂くお茶漬けです!
ちょっと邪道で,しかも贅沢な食べ方ですが,こんなことができるのもサバのかぶら寿司ならではでしょう。
この時期,富山のスーパーに行くと気軽に買える富山のかぶら寿司,ぜひ召し上がれ!
地元のスーパーにならぶかぶら寿司。安い!